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ブランド構築ノウハウ

タレント・VTuber卒業時のグッズ在庫処理と契約条項設計ガイド

·12分で読める

TLDR: 結論先出し

  • タレント・VTuber卒業時の在庫処理は契約書に明記しておかないと泥沼化する
  • 在庫の所有権・引取義務・廃棄費用負担を事前に決めておくのが鉄則
  • 売上連動成果報酬の精算期限(卒業後3ヶ月 or 6ヶ月など)を契約書に入れる
  • TSUMUGUでは卒業時の在庫処理オプション(買取・廃棄代行・継続販売の可否)を契約時に明記

卒業対応が契約書にない事務所の末路

芸能事務所・VTuber事務所でタレントの卒業が決まったとき、すでに販売中のグッズ・ジュエリー・アパレル在庫が数百万円規模で残っているケースは珍しくありません。

契約書に卒業時の在庫処理条項がないと、以下の泥沼に陥ります:

  • 在庫の所有権が不明確で、タレント側が「自分のブランドだから引き取る」と主張
  • 事務所が製造費を立て替えていたが、タレント側が引取費用を支払わない
  • 売上連動成果報酬の精算期限がなく、卒業後1年経っても延々と売上報告義務が残る
  • 廃棄費用を誰が負担するかで揉める

法務担当・事務所代表が最優先で整備すべきは卒業時の在庫処理条項です。

契約条項テンプレート:在庫所有権と引取ルール

実務で参考になる契約条項のテンプレート例を示します(一般的な構成例)。

第◯条(契約満了時の在庫処理)

  1. 本契約満了時点で、乙(事務所側)が保有する甲(タレント側)のブランド商品在庫の所有権は、乙に帰属する。
  2. 甲は、本契約満了の通知後30日以内に、在庫の引取意思を書面で乙に通知することができる。引取を希望する場合、甲は製造原価相当額(消費税別途)を乙に支払い、在庫を引き取るものとする。
  3. 甲が前項の引取意思を通知しない場合、または支払期限までに代金を支払わない場合、乙は在庫を自己の裁量で処分(廃棄・バーゲン販売・寄付等を含む)することができる。
  4. 在庫の廃棄に要する費用(産業廃棄物処理費・運送費等)は、乙の負担とする。ただし、甲が引取を希望する場合の在庫移送費は甲の負担とする。

補足ポイント

  • 「製造原価相当額」を明記することで、タレント側が無料で在庫を持ち去ることを防ぐ
  • 引取意思の通知期限(30日)を設けることで、事務所側が速やかに次の処分判断を下せる
  • 廃棄費用は事務所負担が標準だが、大量在庫の場合はタレント側と折半する条項も可能

売上連動成果報酬の精算ルール

売上連動の成果報酬モデル(例:売上の10〜15%をタレントに支払う)を採用している場合、卒業後の精算ルールを明記しないと延々と支払義務が発生します。

第◯条(契約満了後の成果報酬精算)

  1. 本契約満了後も、乙が甲のブランド商品を継続販売する場合、契約満了日から6ヶ月間に限り、売上連動の成果報酬を甲に支払う。
  2. 前項の成果報酬は、契約満了日から6ヶ月経過後30日以内に、最終精算額を確定し、甲に支払う。
  3. 契約満了日から6ヶ月経過後に発生した売上については、成果報酬の支払義務は発生しない。
  4. 乙は、契約満了日から6ヶ月経過後も在庫を保有する場合、甲の承諾を得ることなく、商品名・タレント名表記を変更し、通常の自社商品として販売することができる。

補足ポイント

  • 精算期限を6ヶ月に設定することで、事務所側の経理負担を限定
  • 6ヶ月経過後の売上については成果報酬なしとすることで、事務所側が在庫処分の自由度を確保
  • タレント名表記の変更権を事務所側に付与することで、「元タレント◯◯ブランド」として継続販売する道を塞ぐ

VTuber卒業の特殊性:IPの帰属と販売継続可否

VTuber事務所の場合、キャラクターIPの帰属が複雑です。

  • IPが完全に事務所帰属の場合:卒業後も事務所が継続販売可能(ただしファン離反リスクあり)
  • IPが演者と共有の場合:卒業後の販売継続には演者側の許諾が必要
  • IPが演者帰属の場合:卒業後は事務所が販売不可、在庫を演者側に引き渡すか廃棄

契約書に「IPの帰属と卒業後の商品販売継続可否」を明記しておくことで、卒業時の交渉を回避できます。

VTuber向け条項例

「甲(VTuber演者)が本契約を満了した場合、乙(事務所)は甲のキャラクターIPを使用した商品の新規販売を停止する。ただし、契約満了時点で保有する在庫については、契約満了日から6ヶ月間に限り販売を継続できる。」

在庫買取オプションと廃棄代行サービス

タレント側が卒業後に個人ブランドとして継続展開したい場合、在庫の引取が発生します。

在庫買取時の価格設計

  • 製造原価ベース:最も公平。ただし事務所側の在庫リスクは回収できない
  • 製造原価×1.2倍:事務所側の在庫保管コスト・機会損失を考慮
  • 販売価格×0.5倍:中間的な落としどころ

一般的には製造原価ベースを採用する例が多いとされますが、大量在庫の場合は1.2倍程度の上乗せを行うケースもあります。

廃棄代行サービス

TSUMUGUでは、卒業時の在庫廃棄に関する相談・手配のサポートを想定しています(産業廃棄物処理業者との連携を前提としたモデルケース)。

費用の目安は品目・数量によって変動しますが、モデルケースとしては以下のレンジが想定されます。

  • リング・アクセサリー:1個あたり50〜200円程度(試算)
  • アパレル:1枚あたり100〜300円程度(試算)
  • グッズ:1個あたり30〜100円程度(試算)

廃棄証明書の発行についても対応を想定しており、法務上の記録として残せます。

卒業を前提としたブランド設計

そもそも「卒業ありき」で最初からブランドを設計することで、契約満了時の混乱を最小化できます。

卒業前提の設計パターン

  1. 在庫を極小化する生産モデル:オンデマンド印刷・受注生産を活用し、常時在庫を10万円以下に抑える
  2. IP使用料を前払い化:成果報酬ではなく、月額固定のIP使用料+売上連動なしで契約
  3. 卒業時の在庫買取権を事務所側に付与:タレント側の引取義務なし、事務所が自由に処分可能

特にVTuber事務所で卒業率が高い場合、1. のオンデマンドモデルが最もリスクが低いです。

契約書を作らずにブランドを始めた場合の事後対応

すでにブランドを立ち上げてしまい、契約書に在庫処理条項がない場合の事後対応:

  1. 覚書を締結:契約書の補足として「在庫処理に関する覚書」を作成
  2. タレント側と事前協議:卒業を通知した時点で、在庫処理方針を協議し書面化
  3. 第三者の仲介:弁護士・会計士に入ってもらい、公平な在庫買取価格を算定

最も避けるべきは「口頭で済ませる」こと。必ず書面で残します。

TSUMUGUでの卒業対応サポート

TSUMUGUでは、契約時に以下の卒業対応オプションを整理することを想定しています:

  • 在庫買取価格の計算式(製造原価ベース or 1.2倍ベース)
  • 売上連動成果報酬の精算期限(モデルケースとして6ヶ月)
  • 廃棄代行サービスの利用可否と費用負担

また、必要に応じて法務専門家と連携し、事務所側の契約書テンプレートのレビュー・修正提案を行うことも可能です。

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Tags

タレント契約VTuber卒業在庫処分法務契約条項

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